チャイコフスキーの和声法書籍ポイント
最近発売されたチャイコフスキーの和声法の書籍。
imslpで原書は知っておりましたが、日本語訳の書籍が出版されましたので
読んでみました。
主な特徴として、基本的なルールはほぼ芸大和声と同じなのですが、
特筆すべきは前半の型を学んだのち、自由な声部進行について言及されているところです。
この偶発的配置の柔軟性は非常に重要だと感じます☺️
あとは転調や、掛留音など和音外音の説明も良いですね。
増五度を含む和音(増三和音)の転調利用、増6の和音などもわかりやすく書かれています。
見せかけの和音という対訳も面白いです。
和声的装飾の章は、変奏アイデアとしても参考になります。
33章和声の規則からの逸脱も偽終止として、解釈の幅を広げてくれるでしょう。
最後に終止を持ってきているところは、うん?と思いましたが😅
作品の形式論に繋げたかった意味を深掘りすると、理解できます。
ただ課題の範例がついていないので独習者にとってはマイナスポイントかもしれません😅
総じて
芸大和声の復習や、補足的に並行して読む書籍として大変良いと思います☺️
出版に感謝ですね。